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|description=「ムラの戸籍簿」とは、日本古代・中世の文献史料上にみえる郷・村の初見事例を国別・郡別に集積したデータベースです。民衆の生活の基盤である郷・村 (=ムラ) が、いつ生まれ 、近世村にどのように接続するのか、あるいは消滅するのかを記録する「郷村表」を、人間の戸籍にたとえて「ムラの戸籍簿」と呼んでいます。 | |||
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郷・村名採録基準および郷村表作成にかかる各国共通の凡例を示す。国ごとの独自の凡例は該当箇所で示す。 | 郷・村名採録基準および郷村表作成にかかる各国共通の凡例を示す。国ごとの独自の凡例は該当箇所で示す。 | ||
=== 採録基準 === | === 採録基準 === | ||
(1) 史料中に「某郷」「某村」として郷・村名が明示され、史料上に初出するもののみを採録した。なお、「甲乙両郷(村)」のように現れる場合は「甲郷(村)・乙郷(村)」として、「甲乙丙……等郷(村)」は、それぞれ「甲郷(村)・乙郷(村)・丙郷(村)……」として採録した。 | |||
(2) 他の史料に同名の郷村が重出する場合は、必要に応じて注記した。 | |||
(3) 郷里制のもとにおける「里」(「某里」とあるもの)は採録した。ただし条里制絵図等に現れる「里」は除外した。 | |||
(4) 採録対象期間は原則16 世紀までとした。ただし中世―近世の時期区分については、各自治体史等の判断を尊重した | |||
(例えば、徳川家康入部をもって近世とするなど)。 | |||
(5) 日付未詳史料は、「未詳」としたが、自治体史・史料集等の記述・採録者の判断等に基づき推定した場合は、西暦欄 | |||
に「(9C)」等と記した。また、木簡史料で日付未詳のものは、出土地(例:平城京跡)その他の情報を斟酌して同様 | |||
の処理を行った | の処理を行った | ||
(6) 『倭名類聚抄』に見える郷名は採録しなかった。 | |||
(7) 採録対象文献・史料、該当に関する史料状況等の詳細については、個別に掲げる。 | |||
=== 郷村表 === | === 郷村表 === | ||
(8) 郷村表は、郡別に「郷」「村」に分けて作成した。郡名は『倭名類聚抄』に拠り、郡の記載順もこれに従った。ただ | |||
し倭名類聚抄諸本の異同については後考を待つこととする。 | し倭名類聚抄諸本の異同については後考を待つこととする。 | ||
(9) 郷村表には、「郷(里)・村、郡、年月日、原文、出典」の欄を設けた。 | |||
(10) 郷(里)名に続けて、『倭名類聚抄』の郷名を記載した。 | |||
(11) 「郷(里)」欄……史料通りの郷名を記載し、近世村(天保郷帳等記載の村名)に名が見えるものは「☆」印を付し | |||
た。漢字表記や訓が異なる場合には脚注に示した。 | た。漢字表記や訓が異なる場合には脚注に示した。 | ||
(12) 「郡」欄…………史料上に郡名が現れる場合は「○○郡」とし、郡名記載がないが所属郡が明らかな場合は「(○ | |||
○)」のように郡名のみを括弧内に示した。また「足利庄○○村」などと史料中に見えるものは、 | ○)」のように郡名のみを括弧内に示した。また「足利庄○○村」などと史料中に見えるものは、 | ||
郡欄上段に「足利庄」と記し、下段に「(足利)」と郡名を表記した。 | |||
(13) 「年月日」欄……上段に和暦「貞観2.4.11」(閏月は④のように記す)を、下段に西暦年を記した。推定による場合 | |||
は括弧でくくり示した。 | は括弧でくくり示した。 | ||
(14) 「原文」欄………はじめに文書名を〔 〕で囲み示した。次いで『倭名類聚抄』の郷名に比定しうる郷・村名の場 | |||
合は、【 】で囲み該当郷名を示した。続けて史料を抄出したが、郷村名出現の経緯がわかる程度 | 合は、【 】で囲み該当郷名を示した。続けて史料を抄出したが、郷村名出現の経緯がわかる程度 | ||
の最小限に止め、改行(「/」)、中略=(「‖」)はそれぞれ括弧内の記号で示した。多くは原文の | |||
引用を途中で略したが、いちいち「後略」と注記しなかった。割注は〈 〉でくくり示した。 | 引用を途中で略したが、いちいち「後略」と注記しなかった。割注は〈 〉でくくり示した。 | ||
(15) 「出典」欄………上段に採録者が実見した史料(集)名を、下段以下に、該当史料の所在を記した。自治体史・史 | |||
料集から引用する場合、「文書番号」ではなく「ページ数」を記載した(例:『福井県史』古代編 | |||
の場合 → 「古代p.234」)。木簡・金石文・鐘銘等については、出土地・金石文等の所在地・所 | の場合 → 「古代p.234」)。木簡・金石文・鐘銘等については、出土地・金石文等の所在地・所 | ||
蔵者を明記した。 | 蔵者を明記した。 | ||
(16) 以上のほか、必要事項を脚注に示した。 | |||
=== 郷村数集計表 === | === 郷村数集計表 === | ||
(17) 郷村表に加え「郷村数集計表」を作成し、世紀別・郷村別の出現数を集計した。 |
2022年10月1日 (土) 22:50時点における最新版
郷・村名採録基準および郷村表作成にかかる各国共通の凡例を示す。国ごとの独自の凡例は該当箇所で示す。
採録基準
(1) 史料中に「某郷」「某村」として郷・村名が明示され、史料上に初出するもののみを採録した。なお、「甲乙両郷(村)」のように現れる場合は「甲郷(村)・乙郷(村)」として、「甲乙丙……等郷(村)」は、それぞれ「甲郷(村)・乙郷(村)・丙郷(村)……」として採録した。
(2) 他の史料に同名の郷村が重出する場合は、必要に応じて注記した。
(3) 郷里制のもとにおける「里」(「某里」とあるもの)は採録した。ただし条里制絵図等に現れる「里」は除外した。
(4) 採録対象期間は原則16 世紀までとした。ただし中世―近世の時期区分については、各自治体史等の判断を尊重した (例えば、徳川家康入部をもって近世とするなど)。
(5) 日付未詳史料は、「未詳」としたが、自治体史・史料集等の記述・採録者の判断等に基づき推定した場合は、西暦欄 に「(9C)」等と記した。また、木簡史料で日付未詳のものは、出土地(例:平城京跡)その他の情報を斟酌して同様 の処理を行った
(6) 『倭名類聚抄』に見える郷名は採録しなかった。
(7) 採録対象文献・史料、該当に関する史料状況等の詳細については、個別に掲げる。
郷村表
(8) 郷村表は、郡別に「郷」「村」に分けて作成した。郡名は『倭名類聚抄』に拠り、郡の記載順もこれに従った。ただ し倭名類聚抄諸本の異同については後考を待つこととする。
(9) 郷村表には、「郷(里)・村、郡、年月日、原文、出典」の欄を設けた。
(10) 郷(里)名に続けて、『倭名類聚抄』の郷名を記載した。
(11) 「郷(里)」欄……史料通りの郷名を記載し、近世村(天保郷帳等記載の村名)に名が見えるものは「☆」印を付し た。漢字表記や訓が異なる場合には脚注に示した。
(12) 「郡」欄…………史料上に郡名が現れる場合は「○○郡」とし、郡名記載がないが所属郡が明らかな場合は「(○ ○)」のように郡名のみを括弧内に示した。また「足利庄○○村」などと史料中に見えるものは、 郡欄上段に「足利庄」と記し、下段に「(足利)」と郡名を表記した。
(13) 「年月日」欄……上段に和暦「貞観2.4.11」(閏月は④のように記す)を、下段に西暦年を記した。推定による場合 は括弧でくくり示した。
(14) 「原文」欄………はじめに文書名を〔 〕で囲み示した。次いで『倭名類聚抄』の郷名に比定しうる郷・村名の場 合は、【 】で囲み該当郷名を示した。続けて史料を抄出したが、郷村名出現の経緯がわかる程度 の最小限に止め、改行(「/」)、中略=(「‖」)はそれぞれ括弧内の記号で示した。多くは原文の 引用を途中で略したが、いちいち「後略」と注記しなかった。割注は〈 〉でくくり示した。
(15) 「出典」欄………上段に採録者が実見した史料(集)名を、下段以下に、該当史料の所在を記した。自治体史・史 料集から引用する場合、「文書番号」ではなく「ページ数」を記載した(例:『福井県史』古代編 の場合 → 「古代p.234」)。木簡・金石文・鐘銘等については、出土地・金石文等の所在地・所 蔵者を明記した。
(16) 以上のほか、必要事項を脚注に示した。
郷村数集計表
(17) 郷村表に加え「郷村数集計表」を作成し、世紀別・郷村別の出現数を集計した。